2010年08月03日

1年点検

常陸の家に行ってきました。
夏になると「高断熱住宅は夏暑いのではないか?」と尋ねられますが、
「建物の断熱性能だけでは夏の快適性は決まりません」
と答えるようにしています。

常陸の家は、緑が豊かな農村集落にありますので、
市街地のように地域全体が熱の塊になることはありません。
水田をこえて吹く東寄りの季節風を意識して設計しましたので、
この窓を開放すると、家の中を心地いい風が通り抜けます。
農家づくりの深い軒と大きな掃出し窓は、
冬の光を室内に取り込みますが、夏の日差しは遮り、
茶の間は薄暗く感じる程です。

お孫さんが茶の間で夏休みの宿題をしていました。
テーブルには麦茶、エアコンも扇風機もありませんが、
全く問題ありません。

家中の窓が全て開放されてありますので、
壁の断熱効果や、建物の気密性能なんてほとんど無意味です。
唯一、屋根の断熱性能はこの状態でも機能しています。

そりゃ、周辺環境がそれだけ豊かなら快適で当然でしょ!
そんな気になりますよね。
住宅密集地では、涼しい風なんて吹いていませんし、
窓を開けたら熱風が吹込んできます。
共稼ぎで日中誰もいない締め切った家は、
太陽で温められて
帰宅する頃にはサウナのようになっている家もあるでしょう。
断熱性能が高い家は、その熱が逃げませんので更に大変です。

私のお客様の多くは住宅地に家を建てていますので、
窓を開放するだけで快適になる事はほとんどありません。
夜間安全に開放できる窓や、夏用換気扇などを使い、
昼間の熱を上手に排出し、
簾や葦簀などを使い日射を建物内に入れないようにしています。
もちろん、建物の軒の出も重要です。
建物の断熱性能を活かした夏の過ごし方というものがあります。

「常陸の家」のお客様には
そんなアドバイスは全く要りませんでした。
敷地周辺の環境が持つ可能性を活用し、
ほんの少し快適にする「微気候」の調整が設計者の腕の見せ所なのですが、
窓を開放すれば何もしないで快適になる敷地では、
設計者の出番は非常に少ないです。

ただし、この幸せな環境の価値を集落全体が理解し続けないと、
敷地周辺の緑被率などは簡単に変わってしまい、
空気の流れや風の温度にまで影響するでしょう。
今ある風景に設計者がかってに手を加えないこと。
頑張らないデザインとする。
そんな腕の見せ所もあるのです。

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追記:
この1年で、庭が整備され、納屋が新しくなりました。
工事がここまで進むと、建物も栄えますね。
かわいがってもらえてよかったね。
お孫さんは、お爺ちゃんが大切にしている姿をちゃんと見ています。
そんな家は簡単に建て替えられません。

そうそう、
1年点検ですが、大きな問題は何もありませんでした。
左官屋さんが上手な現場はクレームが少ないですね。
(最近は左官屋さんが入らない現場もありますけどね)

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posted by TOY-order at 22:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 現場レポ_常陸の家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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