2011年09月15日

残された町

中之作は福島県いわき市にある小さな港町です。小名浜港のすぐ北に位置し、古い街道に面した細長い町並みと、小さな袋小路の路地で構成されていて、港の端にたつと集落全てが視界に入ります。

なんて小さい港町の風景なんだろう。

小名浜で生まれ育ち、中之作の町中を通り過ぎたことは数えきれない程あるのに、初めて防波堤の端に立って港町を風景として眺めたのは去年のことでした。

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ダイエット目的で始めたサイクリングでしたが、自転車の速度だから見える風景や、クルマでは入り込めない路地裏探検など、その魅力に取り憑かれ、すぐに友人を誘い自転車散策の楽しさを共有していました。

こんな小さな町なのに、今回の地震と津波に耐えて残っています。津波の向きや防波堤の配置など幾つかの奇跡的な偶然が重なったことも事実ですが、同じ町にある海を埋め立て造成した集落は壊滅的な状況です。そのすぐ近くに築200年の商家などを含んだ集落が力強く残っています。つまり港より少し高い位置にあるその街道は200年前からその位置にあったはずです。これが当時の防災意識だとしたら、この町は残るべくして残った町なのかも知れません。

震災に耐え半年が経過した今、この町の風景が壊滅的なダメージを受けようとしているのです。

中之作の周囲には津波により大きな被害を受けた地域が連続していて、それらの地域の瓦礫や残された建物の解体処分を行政が無償で行っています。津波の被害を受けた地域でこの制度はとてもありがたいものです。

「今、解体しないともったいない」
不思議な空気が、津波に耐えたこの小さな港町に漂っています。
それぞれの建物所有者に悪意はありません。解体に同意するかしないか、それ以外の選択肢が無い状況なのです。
解体以外の選択肢が無い地域の中にひっそりと残された町。この奇跡の町を襲う悲劇だといえます。

津波と地震によりダメージを受けていますが、まだ使える古い建物が解体さえようとしているのです。ボクたちは港の風景を保存するための団体を立ち上げました。「中之作プロジェクト」です。勢いで定款と印鑑もつくりました。更に、文化庁に活動資金の申請もしました。地域の町づくり協議会を巻き込み、保存のための次の手も検討中です。

どんどん設計の仕事から遠ざかっているように思えるかもしれませんが、実務もしっかりやっています。本当ですって!

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追記:
震災で傾いてしまった建物を壊さないで直す取り組みを、
近日中に3件実施します。
「今、壊したらもったいない」
この町の空気を変えることができたら嬉しいです。

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posted by TOY-order at 10:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 中之作プロジェクト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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