2006年09月20日

神谷の家12

以前読んだ雑誌のコラムで、
建築家の泉幸甫さんがこんなことをかいていました。
一つ一つが違う自然素材を建材にするには、
クセを読み取り個性を生かす能力が必要。
この能力を持った人を職人という。


最近の家づくりはどうでしょう?
家の骨組みはプレカットが主流になっているため、
大工さんが木材の「クセを読み取る」機会が激減しています。
おまけに、均質な工業製品である集成材が一般化してくると、
材料自体に「クセ」がほとんどなくなります。(それでも暴れますけどね)
こうなると「職人」の出る幕がありません。

それでは、内部の細かな作業が現代の職人の腕の見せ所かというと、
それもかなり雲行きが怪しいのです。
たとえば大手の建材メーカーは
木のような素材の住宅部品を次々商品化します。

窓枠、扉枠、床と壁のボロ隠し部材、壁と天井のボロ隠し部材などなど、
これらの商品は、誰が使ってもきれいに作れるように工夫されています。
一番不器用な人を基準に作られている、
と言ってもあながち間違いではないようです。

おまけに決して狂わないため、クレームが少ないこれらの商品を、
「簡単で便利だ!」と使っているのが、大工さんなのですから
家づくりの現場に
「職人」はもう要らないのではないかとさえ思えてきます。

純和風建築ならどうか?
残念ながら、和室の細かな大工仕事に見える部材のほとんどは、
カタログ販売されているのです。
「床柱はどれにするか?」などとカタログを見せられたりすると、
この長押(ナゲシ)は、誰が加工したかなんて怖くて聞けなくなります。
余談ですが、
安い手間賃で、部品を組み立てる大工さんを
「ブッツケダイク」などという人もいます。
その大工の下で確認申請を出すのが仕事の
「ダイガンヤ」と呼ばれる建築士も存在します。

どうやら家づくりの現場は、職人不在でも成立しているようです。

プラモデルの家は、家の骨組み部分から職人を排除しました。
実際に組み立てたのは大工さんですが、
素人集団でも組立て可能な工法です。
逆に内部への、建材メーカーの商品使用を制限しました。
粗末な材料をきれいに仕上げたかったのが、最大の理由です。
大工さん「出来ない」とか言うから、
階段が既製品になったのが悔しかったですが、
それ以外は、ほぼ満足しています。

日本の建築文化、特に家づくりに関しては、
今後どんな風になっていくのでしょうか不安ですね。

さて、現場の説明です。前回の写真から8日後、2月14日のものです。

pura025.JPG
外部は、屋根・壁とも防水が完了しています。

pura026.JPG
pura027.JPG
内部も、工場で加工してきた部品はほぼ取り付け完了しています。

pura028.JPG
天井は、これから断熱工事をします。

電気工事屋さんが、頭を抱えていました。
配線を通す場所が無いというのです。
私もプロですので、その辺は抜かりなく設計してあります。
詳しくは次回書きます。


大工さんは、現場に墨を付けられないと笑って言います。
確かに、すべての骨組みが見えてきますので、汚せません。
これは誤算でした。内部の大工工事の手間が予想以上にかかるのです。
ここは、素人工事のほうが、潔く大胆な工事をするところかもしれません。

つづく

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posted by TOY-order at 07:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 現場レポ_神谷の家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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