2006年10月04日

ビルの断熱改修02

数年前、私はビルの断熱改修工事をしました。
ビルといっても、鉄筋コンクリート3階建て、
床面積1200平方メートルの小さな建物です。

寒冷地に建っているので結露がひどい建物でした。
窓の廻りやタンスの裏などには結露が原因のカビがあります。
結露は古い建物だから起こるのではありません、
新しい建物でも見られる現象です。

建物の熱の伝わりに少し配慮して計画するだけで結露は防げます。
少し余計にお金が掛かりますが、
建物の寿命が伸びることを考慮すれば損にはなりません。
しかし、多くの建物では無視されています。
結露はあきらめなければならない冬の現象ということにしています。
戸建の家は、建て主と住人が同じですので、
その辺で妥協しない方が多いです。

集合住宅の場合、建て主と住んでる人は全く別ですので、
結露対策は、最低基準しか守られていないのが現状です。
たとえば公営住宅、
よほどな問題があっても、
基準どおりであることが証明できれば担当者はお咎めなしです。
いつ、誰が、どんな目的でつくった基準かは関係ないのです。
言い換えれば、
(ちゃんと調べないで書いてますので間違ってたらごめんなさい)
高度成長期に住宅の量的整備を目的とした、
最低レベルの家の基準であっても問題ないのです。
これでは、いつまで待っても公営住宅の結露はなくなりません。


話がそれました。

改修した建物は、約30年前に建てられた寮です。
数年前から空き家になっていたものを改修してほしいと依頼を受けました。
(私がまだサラリーマンだったときの話です)
内装と暖房の改修が建て主の希望でしたが、
説得して断熱改修まですることにしました。

<設計の手順を紹介します。>
@ 建物の構造の強さの確認
現在の基準に照らして問題ないかを調査測定し、計算までします。
省エネと直接関係無いので詳細は省略しますが、わりと大変な作業です。
今回の建物はシンプルな形状と、
小さな部屋が多かったのが有利に働き、問題ありませんでした。


A 行政の手続き
建物の面積と使用用途が同じままであれば、
確認申請は不要となります。
ただし、消防や保健所の届けは必要になります。
(詳細は省きます。)
また、確認申請が不要でも、建築基準法は守らなければなりません。

一番不安だったのが、外の仕上げについてです。
建物の外側を断熱材で包み込む工法は色々ありますので、
認定工法を選ぶのが最も簡単です。
しかし、今回は予算が合いません。
そこで、建築基準法を詳しく調べました。そこには・・・・
コンクリートの外側への仕上げに燃えない材料を使うなら、
その下地は可燃物でもよいとあるのです。

私の記憶では、建築基準法の最大の目的は都市の不燃化だったはずです。
明治の初めに、大火事がたびたび起こる「江戸」を
燃えない都市「東京」にするための様々な基準が設けられたモノを、
まとめたものが最初だったと覚えています。
(ウソだったらごめんなさい←ちゃんと調べてから書け!)

燃えない建物を意味する「耐火建築物」の外側に
可燃物をつけてもよいとあるのです。
不思議でしたが、この条文は利用させていただくこととしました。

今回の建物は、鉄筋コンクリートの外壁の外に木で下地をつくり断熱し、
住宅で使う防火サイディングで仕上げることとしました。
木造の家と同じつくりです。
地元の大工さんに工事をしてもらえるよう、
なるべく簡単な設計としました。
おかげで、設計は予算内でまとめることができました。

なぜこんな条文があるのか、しばらく考えてある答えが見えました。
興味のある方は、次回ぜひ読んでください。

次回予告:外断熱工法の種類について。     お楽しみに!
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posted by TOY-order at 18:44| Comment(0) | TrackBack(0) | ウンチク-E大型物件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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