2006年10月04日

ビルの断熱改修05

ビルの断熱改修工事の話です。
ビルといっても、鉄筋コンクリート3階建て、
床面積1200平方メートルの小さな建物です。
ここまで設計から断熱の工法について説明しています。
興味がある方は読んでみてください。(注意:長いですよ〜)

今回は、外断熱について書きます。
少々乱暴な展開になりますが、
このぐらい書かないと伝わらない分野ですのでご了承ください。


コンクリート建物の断熱について、
「内断熱」「外断熱」どちらを選ぶべきなのか、
公共建築も含めて建て主さんは悩んでいます。
国会でも取り上げられましたが、
当時の扇大臣(たぶん)は
「どちらにも長所短所があり、どちらがいいかは断言できない」と、
曖昧な答弁をした事を記憶しています。
民主党の議員さんは相当勉強して質問していたのに残念です。
これは、断熱の位置の議論しかしないから混乱するのです。
断熱の厚さの議論が全くされていないのです。
本気で断熱の厚さの議論をしている人は
室蘭工業大学の鎌田教授が有名です。

断熱材の厚さの基準は色々ありますが、
公営住宅法または住宅金融公庫の新省エネ基準が一般的です。
基準は全て最低基準なのですが、
それ以上にする人はほとんどいません。


はっきり言います、
この程度の断熱材では内でも外でも性能は一緒になります。
そうなると扇さんほぼ正解です!

私は学生時代に鉄筋コンクリート建物の断熱材の位置による
室内環境の違いを次のように習いました。
@ 内断熱:暖房すると温まりやすいが、すぐ冷める
A 外断熱:暖房すると温まりにくいが、なかなか冷めない

これはコンクリートの熱容量の違いをいっています。
内断熱は断熱材の内側に空気しかありませんのですぐ温まりますが、
空気が入れ替わるとすぐに冷めてしまいます。
それに対して外断熱は
断熱材の内側に大量のコンクリートがありますので、なかなか温まらない。しかし、
一度温まると暖房を止めてもコンクリートからの放熱が期待できるため
なかなか冷めない。1級建築士の試験でもこう答えないと不正解です。
ryo003.jpg

ryo004.jpg
(写真は特殊方法としない外断熱の様子です)

実際はどうでしょう?
内断熱の建物(一般のマンションなど)をよく見ると、
断熱材の内側に大量のコンクリートがあります。
隣との境や間仕切り壁、床や天井もコンクリートです。
例えばマンションの上下左右が別の住戸に接しているような真ん中の部屋は、
内断熱でも外断熱でもほとんど違いが無いのです。
一般的な基準であれば、どちらも結露しますし、
押入れの中は湿気ています。
原因は断熱材の厚さが足りないことなのです。
(最上階や端の家の室内環境については次回書きます)

断熱材の厚さを示す基準に、住宅金融公庫の次世代省エネ基準があります。これも不思議な基準です。
木造と鉄筋コンクリート構造で厚さが違うのです。
内断熱とした場合に部屋が狭くならないように
遠慮しているのではないかと勘ぐりたくなります。(建設業界の圧力か?)

鉄筋コンクリート建物の断熱厚さの基準は、
木造の次世代省エネ基準値が最も理にかなっています。
この厚さだと全館暖房が可能になります。
つまり、結露やカビの無い快適性が確保されるのです。

現在の建築基準法は、床面積を計算するときに、壁芯寸法を使います。
壁芯とはコンクリート壁の中心の位置を意味しますので、
実際の床面積は法律上の床面積より小さくなります。
敷地に建てられる床面積の限界(容積率)もこの寸法で計算します。
この法律がある限り厚い断熱は、外断熱しかないということになります。
脈が上がってきたのでこのあたりで終わります。
読む人減りそうな文章だな!


「ちょっと大げさじゃな〜いの〜?」なんて思った人は
次回も読んでください。

次回予告:外断熱について。その2     お楽しみに!
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posted by TOY-order at 19:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ウンチク-E大型物件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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