2006年10月04日

ビルの断熱改修07

ビルの断熱改修工事の話です。
ビルといっても、鉄筋コンクリート3階建て、
床面積1200平方メートルの小さな建物です。
このシリーズも設計から断熱の工法へと話は進み、
今回は屋根断熱について書きます。
興味がある方はバックナンバーを読んでみてください。

ビルの屋上は平らなものが多いですが、
屋上の環境はかなり苛酷です。
冬は氷点下、夏は70℃を越えることもあると聞きます。
おまけに紫外線がガンガン当たります。
勾配が少ないので水はけが悪い上に、
掃除なんかしていませんので草が生えていたりします。
この草で屋上緑化に似た効果が得られればいいのですが、
雨樋への流入口を落ち葉や土が塞いでいますので、
排水口周りが池になっていたりします。
つまり平らな屋根は
雨漏りし易い条件が揃っているといっても過言ではありません。
しかし三角屋根のビルはほとんどありません。
建設費が高くなることも原因の一つです。
長い目で見てください、
自治体は毎年「○○○学校屋上改修工事」などに大金を使っています。
公共の建物は定期的に補修するだけましで、
お金をかけたくない民間の建物は
ギリギリまで大規模な改修をしませんので、建物が長持ちしません。
ここまで明確な差があっても、
残念ながら屋根形状を改める様子はあまり無いようです。
昨年設計した国土交通省発注の建物も、
最後は屋上防水になってしまいましたから。
でも、屋根のある小学校とかが増えているようにも感じています。
↑どっちなんだ!?



話がだいぶ逸れました。
今回は屋根断熱です。屋根にも外断熱工法があります。
例えば、
ゴムの防水シートのすぐ下にボード系断熱材が付いているものです。
近所で火事があった場合、
火の粉が飛んでくるとゴムも断熱材も燃えてしまいそうですが、
その下のコンクリート面が延焼を防ぎますので問題ないのだそうです。

私は「屋上防水は必ず雨漏りする」と思っていますので
できるだけ設計しないようにしています。
今回の改修工事では、既存の屋上の上に屋根を乗せることにしました。
置き屋根工法」といいます。

ryo007.jpg
改修前
ryo008.jpg
改修後(いや改修中)

行政担当者に確認を取ったところ、
「置き屋根の下地は不燃でなければならない」といわれました。
もちろん屋根の仕上げ材は鉄板(ガルバニウム鋼板←強そうな名前)です。
燃えません。屋根材をとめる板にも燃えない材料を使います。
それなのに、その骨組は「不燃でなければならぬ!」というのです。
そこまで燃え広がることは心配しなくていいと思うのですが
理解できません。


もちろん、
@ 屋上断熱防水より安全であること
A 外壁の下地が木造でも施工可能なのだから
  屋根だけできないのはおかしいこと
を説明し、担当者も理解はしてくれましたが、
結局「木造の置き屋根はできません」といわれました。
担当者も首をひねっていましたが、
全国建築主事会議での決定事項だと言われました。


そんなわけで屋上に鉄骨で下地を組んで屋根を架けることとしました。
幸い積雪地域で屋上に屋根を乗せるだけの構造的余裕があったのと、
(勾配屋根で雪は落ちるので積雪の重さは軽減できる)
屋上の水槽室を取り壊して荷重を軽くしたことで
構造の問題は解決できました。

断熱はブローイング工法を採用しました。
ここもグラスウールです。厚さはなんと30cm!!
既存の屋上防水の上に細かく砕いたグラスウールを
ホースで吹き込んで30cmの厚さに積もらせるのです。
屋上の外周部には30cm程度壁が立ち上がっていますので、
端に行ってこぼれてしまう心配もありません。
こうして、私がこだわっていた厚い外断熱が実現できました。
しかし、鉄骨が高価でした。
このシワ寄せはこの後あらゆるところについてまわります。

壁と屋根の断熱改修の工法については以上です。

次回予告:基礎断熱について。(また断熱の話が続きます)
     お楽しみに!
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posted by TOY-order at 19:53| Comment(0) | TrackBack(0) | ウンチク-E大型物件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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