2006年10月04日

ビルの断熱改修08

ビルの断熱改修工事の話です。
ビルと書きましたが、鉄筋コンクリート3階建て、
床面積1200平方メートルの小さな建物です。
このシリーズは設計から断熱の工法へと話が進み、
今回は基礎断熱についてです。
興味がある方はバックナンバーを読んでください。

住宅の床の断熱は一般に床材のすぐ下にありますが、
鉄筋コンクリートの改修の場合には断熱出来る床下空間なんてありません。
では、どこに床の断熱を設けるかというと、
壁の外断熱の延長線上です。基礎の外側断熱になります。

「床の断熱が基礎の外?」と思われるかもしれませんが、
建物の熱の流れをイメージしてみると理解できると思います。

床下に断熱材が入っていなければ、当然床は冷たいです。
暖房が必要になります。
暖房をいくら焚いても床下に断熱材がありませんので、
しばらくは床は冷たいままです。
床から床下のコンクリートに流れた熱は、地面に流れます。
通常でしたら、そのまま地面から建物の外へ熱は流れ出てしまうのです。

ところが、
基礎の外側断熱の場合には外へ流れ出るのを厚い断熱材が止めます。

暖房し続けること数日後・・・・
床が冷たくなくなります。蓄熱が完了しました。
基礎断熱は、
床下コンクリートや地面に
低温輻射蓄熱暖房機」と同じ様な機能を持たせます。
熱の流れを十分検討した暖房計画がされてあれば、
熱が床から流れても問題ないのです。

厚い断熱材で建物を丸ごと包んである今回の建物のような場合は、
「全館暖房」すれば建物内部への断熱補強は必要ありません。
またまたイメージしてください。
2階の床から流れる熱は1階の天井に移動します。
建物の外へ逃がしていません。
2階の天井から流れる熱は3階の床へ移動するだけです。熱はどこへも逃がしていません。
気付きましたか、全館暖房の外断熱の建物は、
暖房の設計がすごく簡単なのです。
暖房の熱源は小型で、維持費も安く、おまけに設計は簡単!!!
(お薦めですよ)

基礎の外断熱が有効なのは理解できたでしょうが問題点もあります。
@ 断熱材が水にぬれる
A シロアリが断熱材を伝って容易に建物に侵入する
などです。

私は、断熱性能の劣化が少なくローコストで、
環境負荷の小さなグラスウールを好んで使っていますが、
撥水性を持った安価なグラスウールがまだ無いので、
基礎断熱には「発泡系の断熱材」を選びます。
この現場では、既存の基礎の外側に
10cm厚さの「スタイロフォーム」を仮止めし、
その外側に新たに15cm厚さのコンクリートの壁を作りました。

この壁の設置理由は、
現場が寒冷地でしたので、除雪車による建物の損傷防止です。
断熱材の性能劣化防止と、シロアリの進入防止のためでしたら、
樹脂モルタル程度でもよかったのですが、
寒冷地は何かと余計な費用がかかります。
外壁が外側に約14cm(外断熱+通気層+外装材)大きくなったので、
基礎部分もそれなりに大きいほうが見た目カッコいいのですが、
約25cm(←断熱材+コンクリート)はちょっと大きかったかな?

こうして、私がこだわっていた厚い外断熱が全て実現できました。
しかし、予算のかなりの部分を外側に使ってしまいました・・・・

建物の外側の様子は以上です。
引き続き暖房改修と、内装について書き進めたいと思います。
(みんな付いて来てますか〜?)

次回予告:暖房システムについて     お楽しみに!
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posted by TOY-order at 20:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ウンチク-E大型物件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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