2006年10月05日

ビルの断熱改修10

ビルの断熱改修の話です。
断熱を体感するにはそれに合った暖房方式の採用が大切です。
今回は、快適暖房の事例紹介です。

私はとにかく暖房にこだわります。
(意匠設計の事務所なんですが、こんなことばかりしています)
建物の快適性は
断熱性能が大きく影響することはだれでも理解できるでしょうが、
同じ断熱性能でも、
暖房方式によって快適性は大きく違うことは知っていましたか?
温風暖房の不快感や、石油ストーブのにおい、
小学校のときの教室内の温度差など、
暖房の嫌なところはたくさん知っていると思います。
ryo010.jpg
私が以前設計した小学校です。(写真:phot by yutaka T)

整理しますと、快適暖房の基本は3つです。
@空気を汚さない⇒灯油ストーブ、ガスストーブは残念ながら問題ありです。
A空気を動かさない⇒ファンヒーター、エアコンも問題が有ります。
Bちょうどいい能力⇒大きすぎる能力は室温が安定しません。

現在ほとんどの家で使われている暖房機は、高断熱には不向きといえます。
実は、流行の「ハロゲンヒーター!」は問題なしです!(なんと!)
ただし、学校施設には、安全性や暖房費の面で採用にはなりません。
(電気は高いから・・・)

ハロゲンヒーターの暖かさは、太陽の暖かさと同じ原理です。
放射熱(輻射熱)と呼ばれています。
放射面積が大きいとそれほど高温でなくとも暖房になります。
「低温放射暖房」と呼ばれるパネルヒーターや床暖房がそれですが、
これもまた高価なものです。
学校建設の予算内では採用できません!
(学校が安すぎるのも問題です。長持ちできない理由のひとつです。)

そこで私は、床下暖房用の安価なパネルでの暖房を計画しました。
「輻射暖房のパネルは見えてなければ暖かくありません。」
これが設備設計の常識のようですが、
床下にパネルヒーターを並べた家がうまく暖房できていることを根拠に、
「床下温水パネルによる低温輻射暖房」で計画をかなり強引に進めました。(ほんとです)

厚い外断熱工法による建物の長寿命化に対応するためには、
十分な広さの設備スペースが必要です。
この小学校には90cmの床下空間があります。
(豪雪地のため高床にする必要がありました)
そこを、給水・排水・暖房の設備空間に活用したのです。
実際暖房してみると、
設備設計者の不安をよそに非常にうまく機能しているのです。

ちなみにこの設備設計担当者は、
「設備設計の経験がいくらあっても、技術になっていない!」と
とことん言われて、対応が変わりました。めでたしめでたし!
(自慢話になってきたのでこの辺で・・・)

最後に、温水暖房が採用された理由を幾つかあげます。
@火災の心配が無い⇒外部のボイラー室以外に火気が無いです。
Aやけどの心配が無い⇒40℃程度のぬるま湯を循環させています。
B将来の熱源が自由⇒ボイラーの寿命は20年、
          次のエネルギーはなんにでも対応可能です。

なんと10mを越す吹き抜け空間も暖房できました。

この暖房システムを、改修に応用できるのか?(今度は床下が無いぞ!)
次回は、いよいよ改修の現場の暖房システムを紹介します。       お楽しみに!
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posted by TOY-order at 23:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ウンチク-E大型物件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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