2006年10月05日

ビルの断熱改修11

ビルの断熱改修の話です。
断熱に合った暖房方式を選ぶと、
断熱効果をはっきりと感じることが出来ます。

意匠設計の担当なのに暖房や換気にこだわるため、
設備設計の担当者から煙たがられていることは前回書きました。
今回も同じ担当者と侃々諤々の大騒ぎでした。

900坪の小学校を丸ごと暖房に比べれば、
350坪の寮の暖房は簡単なのですが、
別の問題が山積していました。特にこの2点。
@ 工事予算があまり無い(屋根改修が鉄骨になったのがとにかく大きい)
A 配管場所が無い(設備用空間は今でこそ常識だが30年前は全く無い)

施設の用途は高校生向けの寮です。
建物は、魚の養殖を研究する大学の寮でしたが撤退し、
自治体が譲り受けたものです。
なぜ高校生が寮なのか、少し説明します。
近年過疎化に悩む自治体は、
地元高校の生徒数が減少し「分校」になってしまうのを防ぐため、
分校は、教師の数や、補助金が減らされるため教育の質が落ちると言われています。
「山村留学制度」を始めました。
広く他の自治体から高校生を集めるのです。
当初、子どもたちは近くの民宿で下宿生活でしたが、
「まとまった数の留学生を集めるには、施設整備が重要である」となり、
築30年の建物に白羽の矢がささったのでした。
これは、県の教育施設整備計画への挑戦ですので、
工事には全く補助が付きませんでした。


幸い、高校生向けの寮ですので、利用時間やライフスタイルは明快です。
昼間は無人ですし、入浴時間なども制限できますので、
暖房は低温水をずっと流し続けるだけとしました。
(制御は高いからがホントの理由)
時間ごとの送水温度の設定と、
各室に水量を調整できるバルブをつけた以外は無制御です。

ここで、予算が無いので大英断!所長も唖然の打合せ状況を再現します!
(この工事をしていたとき私はサラリーマンでした)
@ 暖房配管は露出とします。
A 暖房のパネルは、
  既存のスチームコンベクター(蒸気を流す暖房機)を利用します。
(・・・一同、ぽかーん・・・・・アホを見る目が私に集中)
さらに続けて、
B 既存の窓は撤去しません。
(2重サッシになるので性能アップ、処分費不要、撤去廻りの補修不要)
C 新規の暖房パネルは床下放熱機にカバーを付けて設置します。
D 暖房ボイラーの能力は
  10万キロカロリー(一般家庭用給湯器2台分)とします。
E 風呂、トイレは既存再利用です。
F 壁は既存の土壁に直接壁紙貼りとし、天井は既存のままとします。
G 既存の畳は畳表の張替えで再利用します。
H 家具は集成材の板で大工が作ります。
I 改修しない部屋はペンキ塗りで終わりとします。
(絶対にキレイにならない・・・なるはずが無い・・・という視線が集中)

なんとか予算内での改修の全ぼうが見えてきました!
(↑おい、そんなんでいいのか!)

次回は、既存の機械室に、この暖房システムが入らない、トラブル発生!
(何とかしてください!)
          お楽しみに!
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ちなみに現場の様子、
ryo011.jpg
改修前

ryo012.jpg
改修後

ryo013.jpg
改修前

ryo014.jpg
改修後

問題ないでしょ?
posted by TOY-order at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ウンチク-E大型物件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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