2006年10月05日

ビルの断熱改修12

ビルの断熱改修の話です。
断熱に合った暖房方式を選ぶと、
断熱効果をはっきりと感じることが出来ます。

せっかく厚い外断熱工法で改修したコンクリート建物ですから、
無駄の無い暖房方式を採用したいと考えるのは、
意匠設計の担当も同じです。
この気持ちが度が過ぎているため、
設備設計の担当者からは煙たがられていますけど・・・

今回は現場担当者に大変苦労させてしまった話です。
建物をしっかり断熱すると、建物から逃げる熱を予測できます。
計算すると逃げる熱の約70%は窓と換気からでした。
つまり床・壁・天井からは30%程度しか逃げないことになります。
壁や天井の断熱を必要以上厚くしても効果が薄いですのでお
金がもったいないです。


換気は、
熱交換型の換気扇を使えばかなりの熱損失を抑えることが出来ますが、
今回はそんな予算はありません。(のっけから金の話だ)
もちろん換気を止めることも出来ませんので、そのままとします。
暖かい室内の空気が排気され、
各室の吸気口から冷たい新鮮空気が入って来る計画です。
必要換気量ギリギリで計画すると、
この吸気が冷たく感じることはほとんど無いです。
(人の出入りがありますので、ギリギリでも心配要りません)

問題は窓です。壁の10倍程度の熱が逃げ続けますので、
ガラス面からの冷輻射と、
床をはう冷たい気流(ダウンドラフト)が体感温度を一気に下げます。
予算の都合で、窓の性能もこれ以上改善できませんので、
暖房機は窓の下に配置することにしました。
暖房機により、ダウンドラフトや、ガラスが冷たくなることを防ぎます。

暖房は温水を使います。
機械室で作られた約40℃の低温水は、
ゆっくりと建物全体へ送り出されます。
温水配管は各室の天井付近を露出で設けられ、
窓の前で暖房パネルに枝分かれします。
30年前に設置された蒸気を通す暖房機は頑丈に作られていたので、
低温水を流す程度の圧力には問題ありませんでした。
(前回の写真を見てください)
シンプルで頑丈な構造は長寿命の基本です。再利用しました。

温水は灯油焚きボイラーを使いました。
機械の価格と灯油料金を比較して最も有利だったからです。
(電気は大きな受電設備が必要になるのでダメでした)

暖房能力は、建物の熱性能と施設利用時間と外気温で計算します。
24時間一定温度を保つのであれば、小型化が可能になります。
「温まったなべ」を保温するのと同じ考えです。
とろ火で「ことこと」の状態です。

既存の機械室には巨大な重油のボイラーがありましたが、
使えないので撤去し、
そこにオイルタンクまで詰め込みました。(地下タンクは高いのです)
これがミスでした。
おかげでこのアリサマです。
ryo015.jpg
ryo016.jpg
ryo017.jpg


工事してくれた「はちやさん」ご迷惑おかけしました。
結構余裕あると思ったのですが・・・・ハイ・・・ごめんなさい!


次回は、特注暖房パネルを紹介します。       お楽しみに!


将来のメンテナンス対策とかカッコいいこと言っておきながら、
こんな機械室設計しています。
机で考えたように物はつくられません。いい経験しました。
(ほとんど気疲れ?)
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posted by TOY-order at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | ウンチク-E大型物件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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