2006年12月01日

床下暖房工学演習(3)

『基礎断熱とは何だ?』シリーズは、
『床下暖房との関係』まで説明しましたので、
第3段階『具体的な演習』へとステップアップです!
注意:非常に難解な内容になっています♪興味のある方は、
   この書庫を最初から読んでください!


今回のサブタイトルは

送水温度

前回は建物から逃げる熱の量に対して、
どれだけの暖房能力が必要かについて書きました。
今回はその続きです。
さて、
きちんと断熱された家での暖房の設定温度は18〜20℃が快適です。
床下暖房ですと不快な気流もありませんので、
慣れると18℃程度が心地よかったりします。
(これって5月の爽やかさなのょ!)
では、
20℃の室温をつくるために床下の配管に何℃の温水を送るべきでしょう?

私が以前見学に行った
『PS』という暖房パネルメーカーの工場(安比にあります)では、
35℃で暖房していました。(←体温より低いじゃん!)
これまで設計した家は
さすがにそこまでストイックな省エネ生活を望めませんでしたが、
それでも40〜45℃で暖房していただいています。

私が住む『いわき』は、冬の日照時間が長さと目の前の太平洋のおかげで、
冬季間の気温がそれほど低くなりません。
2月ごろ完成した家を訪ねてみると、天気のいい日中はたいていの家で
窓が開いています!!
少し冷たい空気と、
ぽかぽかの太陽が最高に贅沢な心地よさなんだとか・・・

えっ!
もちろん暖房は止まっていますが、
建物に蓄熱された熱はどんどん逃げます。(省エネなのか?)
熱の逃げる速度は温度差に比例します(←ここが大切)ので、
日中の外気温と室温の差が小さいほど熱の無駄は少なくなります。
それに対して、
窓から差し込む太陽の光の量(日射取得熱)が十分確保されていれば
室温が下がりませんので
それほどエネルギーは無駄にしていないと考えることができるでしょう。
風の強い日や天気の悪い日は開けませんし、
最も気温が高い数時間の話ですょ!誤解のないように!!

では、床下の話もしましょう。
温水暖房は『暑い』と感じるとやっかいです。
暖房のスイッチを切っても、
床下の配管内には温水が十分なエネルギーを蓄えて残っていますので
ややしばらく放熱を続けます。
ファンヒーターのスイッチを切るように「ぴたっ!」と止まりませんので、
窓を開けて熱を外に逃がすしかありません。
せっかく蓄えた熱が無駄になってしまいます。

建物の温度を測定すると、
床下の温度は室温より2度程度高くなっていることがわかります。
つまり、床下の温度が20℃を超えれば十分暖房として機能するのです。
これは40℃程度の送水温度で十分達成可能であり、
室温の設定を低めにしておけば
オーバーヒートによるエネルギーの無駄遣いはほとんど起こりません。
おまけに日中遠慮なく窓を開けて過ごすことができます。

温暖な地域の方は、
機械換気による締め切った部屋での生活に圧迫感を感じるようです。
2月に窓を開放する贅沢な換気!
これが可能な家が、『いわき』の暮らしにあった家だと考えています。

暖房機の能力は最も寒い場合を想定して能力計算していますので、
気温が高い時間に床下に蓄熱しておくと
一次的な暖房能力不足を補うことができます。
たまに大寒波で寒い日が続くとピンチ(能力不足)になりますが、
実は40坪程度の家にギリギリの超小型ボイラーって無いのよ!
(欲しいんだけど・・・)
つまり、送水温度を上げれば前回説明したベース暖房だけで
ほぼ100%暖房はまかなえます。
そうそう、
寒波が過ぎたら送水温度が高いままでは不快ですので、
もとの設定に戻すのが基本です!





追記:
夜間電力による蓄熱暖房機は、かなりの高温で蓄熱していますので、
日照時間が長い太平洋側の地域では
最もオーバーヒートになりやすい暖房機だと思います。(←失礼!)

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posted by TOY-order at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ウンチク-B基礎断熱 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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