2006年12月05日

「無暖房・無冷房の家に住む」を読んだ。

自称『断熱オタク』ですので、
世間を騒がす断熱本は、ある程度チェックします。

本屋で内容をナナメ読みし、面白そうなら購入です!
今回は「家づくり レボリューションさん」からの紹介ですので、
早速読んでみました。

山本順三著「無暖房・無冷房の家に住む」 三一書房
(定価1500円+税)
438005215X_01__SCMZZZZZZZ_V66922714_.jpg
セルロースファイバーという吸放湿性のある断熱材の
優位性について書かれた本ですが、
それ以外の断熱材についてけちょんけちょんです。
学者でも設計屋でもない著者が、
断熱屋として様々な建物に係わっていく中で、
最良の断熱材にめぐり合ったところまでは理解できますが、
『セルロースファイバー以外はダメ!』と、
自分が一番正しいことを叫び続ける語り口は、
本の中で、散々こき下ろす【「いい家」が欲しい。】と同じ手法に
見えてしまいます。

実際に長く現場に携わることで得られた経験をもとに書いていますので、
内容は非常に説得力があります。
残念なのは『下品な語り口』のために、
その辺が素直に伝わってこないこと、
『「いい家」が欲しい。』に負けないほどの後味の悪さです。
(もったいない)

さて、
気になる部分も幾つかあります。
著者が紹介する断熱材の優位性を示したいために、
比較となる建物の断熱仕様が、かなりお粗末なものが多いように思えます。
グラスウールで同じ断熱性能とした場合の室内環境は、
この本にあるセルロースファイバーでの温熱環境と
それほどの差は無いように思えます。

また、
寒冷地での結露の研究論文についても、
外装材の透湿抵抗を変えた場合のデータが示されていますが、
これでは断熱材の比較にならないと思います。
(条件をそろえないと比較できません)

あぁ〜、それから、誤解の無いように!
今日の住宅産業の構造や、行政の対応、建物性能の必要性など、
『セルロースファイバー以外の断熱材は欠陥品だ!』と
書かれている部分を除けば、かなりの部分で共感がもてます。

私は断熱性能が確保できるなら、
特定の断熱材に対して思い入れはありません。
セルロースファイバーも機会があれば使いたい断熱材の一つです。
ただ、
グラスウールでも、素材の欠点を理解した施工者が使えば
この本に書かれているような結露や温度差の問題は発生しませんし、
設計時に「換気量」と「調湿性のある仕上げ材」などに配慮し、
室温が高くなり過ぎないように気をつけて生活すことで、
冬季間の過乾燥は防げます。
もちろん、これらは机上の空論ではなく建物完成後の実測から得たものです。
最近は、低価格で性能を発揮させるために、
断熱材はグラスウールに偏りがちですけどね(←現場監理は増えます)

あまりにも『セルロースファイバー』に偏った
お客様向けの本(お施主本)ですので、
この本も
『最後は○○工法の販売促進が目当てなのかな?』と思ってしまいました。

以上感想でした。

↓面白かったらポチッ↓

にほんブログ村 住まいブログへ
posted by TOY-order at 22:59| Comment(4) | TrackBack(0) | 事務所の本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
以前から楽しく読ませていただいております。
考え方はさほど違っていません。
多くの方に断熱の知識を理解してもらうためにリンクをはらさせていただきます。
Posted by バタヤン at 2006年12月14日 17:23
ありがとうございます。
本業が忙しく更新が滞っています。申し訳ないです。
できればリンクを張っていただいたアドレスを教えてください。
Posted by TOY(管理人) at 2006年12月14日 18:17
アドレスをお教えします。
よろしければ一度お立ち寄りください。
Posted by バタヤン at 2006年12月15日 23:59
バタヤンさん、
ブログ村のサブカテで一緒の方でしたね。
仲良くしてください。
Posted by TOY at 2006年12月17日 14:10
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
断熱だけではありません。 ちゃんとデザインもするんですよ! 豊田設計事務所のHPはこちら
by blog-parts fab.
[PR]春日部市 不動産
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。