「常陸の家」の断熱計算をしました。
まだ基本設計の段階ですので、
建物の高さや窓の大きさなど不確定要素がたっぷりあるのですが、
概算で性能をつかんでおかないと設計が進みません!
設計が終わってからでは遅いのですが、
このタイミングで計算する設計者が少ないように思えます。
「えっへん、我社は長年高断熱住宅を設計してますので大丈夫です」
こんな説明がこの先通用するとも思えないのですが如何でしょ?
今回の建物は、
築60年の建物を移築するのと同時に新築する部分もあります。
それぞれ残存余命が違う建物となりますので、
将来改修することを視野に入れて、渡り廊下で繋ぎました。
するとなんだかんだで200uを超えてしまう・・・
建築基準法は木造住宅で200uを超えると突然厳しくなりますから、
何としてもそれ以下でまとめなければなりません。
入母屋の古い建物を高断熱化するだけで悩んでいるのに
排煙窓まで付けたらシッチャカメッチャカですよ!
このような厳しい初期条件に、
エスカレートするお客様の要望をあれこれ聞き入れてつつ、
地域に馴染むデザインを崩さない外観を維持する案を捏ねていたら、
増築部分の平面が「コ」の字型で落ち着いてしまいた。
渡り廊下のクビレと「コ」の字型とで、かなり凸凹のプランです。
当然外壁面積と窓面積が通常よりかなり大きくなっています。
移築部分は平屋ですので屋根面積もデカイ・・・
これは断熱性能をそうとう良くしないと省エネになりませんぞ!
今回断熱計算で使用するのが「
QPEXver.2.0」というソフトです。
これまで何度か紹介してきたエクセルファイル(マクロ付)ですが、
つい最近ヴァージョンアップしました。
何より嬉しいのが、気象地点が大幅に増加したことです。
これなら「常陸の家」も自信を持って計算結果を説明できるぞ!
なんて思って「常陸太田市」を探したら無かった・・・
あははは・・・
日立市が近いからそこで代用することにします。
(日立市は前ヴァージョンにもありました・・・涙)
そうそう、
エコキュート暖房のような省エネ機器採用にも対応します。
年間の暖房消費電力量が算出されますので、
「電気だとどれくらい消費するの?」という質問にも安心です。
今のところ灯油暖房を推奨していますのでほとんど使わない・・・
とまぁ、かなり使いやすく進化しました。
興味のある方は
新住協事務局へ問い合わせしてみて下さい。
さて、
QPEXの宣伝はこのくらいにしまして、本題に入ります。
今回の建物は超長期住宅の補助申請で、
U地域対応の断熱性能と書いてしまいましたので
Q値1.9[W/uK]以下にしなければなりません。
(それなのに熱損失が大きくなる計画をしてしまったのが問題!)
対策としましては、
付加断熱 :充填断熱の外側にさらに断熱材を貼り付けます
断熱ブラインド設置:夜間閉じる高性能なブラインドを設置します
熱交換換気扇設置 :換気扇のグレードアップです
以上三点の仕様をいつもの設計より良くします。
(いつもだと断熱ブラインドはお客様に紹介するところまでです)
サッシは、室内樹脂のアルミ断熱サッシのままです。
どうしても大型サッシが多くなるので、樹脂サッシや木製サッシでは
製作限界寸法、開閉の重さ、開閉方法などの点で
お客様の理解が得られにくいと判断したためですが、
さらに高性能化する余裕を残したことにしておきましょう(笑)
計算結果です。
Q値:1.88(やはり熱損失の約50%が窓からです)
年間暖房エネルギー消費量:563リットル
床面積(法床面積)が200uですので、1u当たり2.82リットル!
いわきで4リットル以下を目標にしていますから、省エネですよ。
ただし、
灯油の単価が高騰していますのでエコノミーなのかはちょっと疑問!
これでようやく22日の「
しゃべりの仕事」のネタが揃いました。
これから急いでまとめます。
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追記:
断熱性能とエネルギー消費量は比例しないときがあります。
冬期の日照時間が長い地域の場合、
南側のガラス性能を悪くした方が日射取得熱により
省エネになったりします。
ガラスの性能を落としつつQ値1.9をクリアしましたので、
一見アンバランスな面白い仕様ですよ(みんなついてきてるか〜〜!)